身代わり政略結婚~次期頭取は激しい独占欲を滲ませる~
 それから、成さんが準備してくれた朝食をいただいて、ゆったりと過ごしていた。

 今日はどうしようか、と相談していたときに、成さんのスマホが鳴った。
 途端に私の脳裏に浮かんだのは夕花さん。

 成さんはソファから立ち上がり、スマホを確認して一瞬止まる。

 そして、ディスプレイを私に見せた。

「夕花さんだ。出てもいい?」
「どうぞ」

 私が了承すると、成さんはディスプレイに指を置き、スマホを耳に当てた。

「はい。鷹藤です」

 成さんは私を気遣って目の前で話をしている。

 夕花さんの話している内容までは聞き取れないけれど、会話の雰囲気はあっさりとしている印象だった。
 そのとき、ふいに成さんが私を見た。

「彼女に話があるのでしたら、今一緒にいますが」

 成さんの言葉に驚いていると、スマホを差し出された。
 いったいどういうことか理解できず、ぽかんとして固まってしまった。

「梓に代わってほしいって。どうする?」

 成さんに言われ、目を見開く。

 夕花さんが私に……?

 一瞬戸惑ったものの、私は目を逸らさずに右手を伸ばす。
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