身代わり政略結婚~次期頭取は激しい独占欲を滲ませる~
「とりあえずここを出てようか。その後、少し歩いてもいい?」
「はい。どこか行きたいところが?」
「うん。十分くらいのところ」
成さんの希望で、私たちはカフェを後にして銀座の街を歩いた。
虎ノ門方向へ歩いていく。
この辺りは取引先も数件あって、私もよく来る地域。
四時も過ぎれば、薄っすらと暗くなっていき、気温も下がって寒くなる。
私が肩を窄めて歩いていると、成さんが手を握って彼のコートのポケットに入れられた。
さらに歩き続け、数分経った時に、成さんがひとつのビルの前で足を止めた。
見上げると、十五階くらいありそうなビル。
わりと新しめで、いろんなオフィスが間借りしているようだった。
「ここ。入ろう」
「えっ?」
意外な行き先で驚いた私は、成さんについてビルに入る。
きょろきょろと周りを見れば、やっぱりさっきの印象通り、案内板には複数のオフィスの社名が連なっていた。
成さんは迷わず廊下を進んでいき、エレベーターホールにたどり着く。エレベーターに乗って目指すは十階。
「成さん、ここは?」
「レンタルオフィス。七階から十階まで、個別の専用スペースを賃貸してくれる場所なんだ」
「ああ! 話には聞いたことがありますが実際に訪れたのは初めてです」
確か、小さな部屋にデスクと椅子があって、集中して作業をするためなどに個人で借りたりする、いわばアパートを賃貸契約するのと同じ原理。
「って……え? 成さんが借りてるんですか?」
「うん。アメリカに渡る前にも使ってて。だから、今回も戻ってきてすぐ契約したんだ。職場からマンションより近いから、なにかあったとき便利だし、プライベートと空間をはっきり分けられるから」
「はい。どこか行きたいところが?」
「うん。十分くらいのところ」
成さんの希望で、私たちはカフェを後にして銀座の街を歩いた。
虎ノ門方向へ歩いていく。
この辺りは取引先も数件あって、私もよく来る地域。
四時も過ぎれば、薄っすらと暗くなっていき、気温も下がって寒くなる。
私が肩を窄めて歩いていると、成さんが手を握って彼のコートのポケットに入れられた。
さらに歩き続け、数分経った時に、成さんがひとつのビルの前で足を止めた。
見上げると、十五階くらいありそうなビル。
わりと新しめで、いろんなオフィスが間借りしているようだった。
「ここ。入ろう」
「えっ?」
意外な行き先で驚いた私は、成さんについてビルに入る。
きょろきょろと周りを見れば、やっぱりさっきの印象通り、案内板には複数のオフィスの社名が連なっていた。
成さんは迷わず廊下を進んでいき、エレベーターホールにたどり着く。エレベーターに乗って目指すは十階。
「成さん、ここは?」
「レンタルオフィス。七階から十階まで、個別の専用スペースを賃貸してくれる場所なんだ」
「ああ! 話には聞いたことがありますが実際に訪れたのは初めてです」
確か、小さな部屋にデスクと椅子があって、集中して作業をするためなどに個人で借りたりする、いわばアパートを賃貸契約するのと同じ原理。
「って……え? 成さんが借りてるんですか?」
「うん。アメリカに渡る前にも使ってて。だから、今回も戻ってきてすぐ契約したんだ。職場からマンションより近いから、なにかあったとき便利だし、プライベートと空間をはっきり分けられるから」