身代わり政略結婚~次期頭取は激しい独占欲を滲ませる~
「……教会?」
「うん。キャンドルナイトをしているんだ」
私は成さんの後を追って、ぼんやりとしたオレンジ色の灯りを辿っていく。
建物の前まで来ると、大きなガラス越しに幻想的な光が浮かんでいた。
片側の開きっぱなしのドアから「こんばんは」と、牧師が姿を見せた。
私たちも挨拶を返すと、「どうぞご自由にお楽しみください」と中へ促される。
会釈をして足を進めた先には礼拝堂があった。
長椅子と祭壇、それとステンドグラスがあるシンプルな内装。
足元には祭壇に続くようにして、キャンドルが並べられている。
それがとても神秘的で美しかった。
ゆっくり歩いて回ったとき、壁に描けられていた額に目が留まる。
額の中には格言的な一文がいくつも並んで思わず見入った。
人間の根本的な部分に問いかけるようなメッセージもあるけれど、主に愛情についてのもの。
そのうちのひとつ、どこかで見覚えがあって思わず唸り声を漏らす。
「どうかした?」
「うーん、この七つ目の一文、なんだか知っている気がして……どこでだったかな」
【芽生えた恋は大切に丁寧にあたためて、愛を咲かす】
腕を組んで頭を悩ませていたら、成さんが言った。
「ああ。これはかなり昔から広告で使われているものだね」
「あっ、そうだ!」
広告って言われて思い出した。電車内の広告でよく見かけていたんだった。
あれはこの教会の広告だったんだ。
「じゃあここで挙式もできたりするんですね。広告の中には、ウエディングドレス姿の女性がモデルをしていたものもあったので」
一度思い出せば、何パターンかの画が頭に浮かぶ。
自然の景観が多かった気がするけれど、ウエディング風景のものが印象に残ってる。
「そうみたい。いいかもね。自然に囲まれた教会でっていうのも」
にっこりと笑って返された言葉にびっくりする。
私も軽率な発言しちゃったとはいえ……成さんの言い方は、まるで結婚を控えてるふたりに思えてしまって……。
「うん。キャンドルナイトをしているんだ」
私は成さんの後を追って、ぼんやりとしたオレンジ色の灯りを辿っていく。
建物の前まで来ると、大きなガラス越しに幻想的な光が浮かんでいた。
片側の開きっぱなしのドアから「こんばんは」と、牧師が姿を見せた。
私たちも挨拶を返すと、「どうぞご自由にお楽しみください」と中へ促される。
会釈をして足を進めた先には礼拝堂があった。
長椅子と祭壇、それとステンドグラスがあるシンプルな内装。
足元には祭壇に続くようにして、キャンドルが並べられている。
それがとても神秘的で美しかった。
ゆっくり歩いて回ったとき、壁に描けられていた額に目が留まる。
額の中には格言的な一文がいくつも並んで思わず見入った。
人間の根本的な部分に問いかけるようなメッセージもあるけれど、主に愛情についてのもの。
そのうちのひとつ、どこかで見覚えがあって思わず唸り声を漏らす。
「どうかした?」
「うーん、この七つ目の一文、なんだか知っている気がして……どこでだったかな」
【芽生えた恋は大切に丁寧にあたためて、愛を咲かす】
腕を組んで頭を悩ませていたら、成さんが言った。
「ああ。これはかなり昔から広告で使われているものだね」
「あっ、そうだ!」
広告って言われて思い出した。電車内の広告でよく見かけていたんだった。
あれはこの教会の広告だったんだ。
「じゃあここで挙式もできたりするんですね。広告の中には、ウエディングドレス姿の女性がモデルをしていたものもあったので」
一度思い出せば、何パターンかの画が頭に浮かぶ。
自然の景観が多かった気がするけれど、ウエディング風景のものが印象に残ってる。
「そうみたい。いいかもね。自然に囲まれた教会でっていうのも」
にっこりと笑って返された言葉にびっくりする。
私も軽率な発言しちゃったとはいえ……成さんの言い方は、まるで結婚を控えてるふたりに思えてしまって……。