8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~
フィオナの宮に、オスニエルが手配した仕立て師が出入りするようになる。
「最高級の品を作るよう、仰せつかっております」
「……はあ」
デザインは、すでにオスニエルが三パターンにまで絞っているらしい。フィオナに求められるのは、数々の三択に応えることと、採寸中おとなしくしていることだ。
「仮縫いができましたら、またご試着をお願いいたします」
仕立て師は機嫌よく帰って行き、反してフィオナはどっと疲れていた。
「一体何なの……」
先日の孤児院訪問から、オスニエルの態度が一変した。
日に一度は挨拶にやってきて、お茶を飲んで帰って行く。
その際に国事についても相談されるので、個人の意見ですが、と前置きし自分の考えを伝えると、オスニエルは満足して帰って行く。
先日、彼の側近であるロジャーに会ったときも、「フィオナ様のおかげで、王子は国政に前向きになっております」となぜか褒めたたえられた。
「私が何をしたって言うの」
『お前は本当に鈍感だな』
顔を押さえて呟けば、あきれたような声が聞こえてくる。ドルフだ。
「鈍感ってどういうこと?」
『態度が変わった理由なんて、考えればわかるはずなんだがな』
ドルフは無理矢理膝の上に乗ってきて、くるりと丸くなる。
「くっ、かわいい……」
子犬姿でそんな仕草をするなんてずるい。ときめいてしまうじゃないか。
これがきっかけで、頭を占めていたオスニエルのことはポンと飛んで行ってしまった。
フィオナがドルフを撫でていると、彼は彼で少し機嫌を直した様子だ。
『まあ、俺が教えてやる義理もない』
ポソリとつぶやき、そのまま寝たふりをした。
「最高級の品を作るよう、仰せつかっております」
「……はあ」
デザインは、すでにオスニエルが三パターンにまで絞っているらしい。フィオナに求められるのは、数々の三択に応えることと、採寸中おとなしくしていることだ。
「仮縫いができましたら、またご試着をお願いいたします」
仕立て師は機嫌よく帰って行き、反してフィオナはどっと疲れていた。
「一体何なの……」
先日の孤児院訪問から、オスニエルの態度が一変した。
日に一度は挨拶にやってきて、お茶を飲んで帰って行く。
その際に国事についても相談されるので、個人の意見ですが、と前置きし自分の考えを伝えると、オスニエルは満足して帰って行く。
先日、彼の側近であるロジャーに会ったときも、「フィオナ様のおかげで、王子は国政に前向きになっております」となぜか褒めたたえられた。
「私が何をしたって言うの」
『お前は本当に鈍感だな』
顔を押さえて呟けば、あきれたような声が聞こえてくる。ドルフだ。
「鈍感ってどういうこと?」
『態度が変わった理由なんて、考えればわかるはずなんだがな』
ドルフは無理矢理膝の上に乗ってきて、くるりと丸くなる。
「くっ、かわいい……」
子犬姿でそんな仕草をするなんてずるい。ときめいてしまうじゃないか。
これがきっかけで、頭を占めていたオスニエルのことはポンと飛んで行ってしまった。
フィオナがドルフを撫でていると、彼は彼で少し機嫌を直した様子だ。
『まあ、俺が教えてやる義理もない』
ポソリとつぶやき、そのまま寝たふりをした。