FUZZY






お店を出て、弘実の隣を歩いていいのか迷ったんだ。こんな風に気まずくなる予定じゃなかったし…。


「理乃」

「……私、ちょっと用事が」


ないけど。


「隣、来いよ。そんで普通にしてろ。お前のその態度が俺を苦しめてんだよ、ばーか」

「……うう、だってこんなの初めてだから!でも隣、行く。ちゃんと歩く!」

「おう。お前はそのままでいいから」


わしゃわしゃと頭を撫でられる、というより髪をぐちゃぐちゃにされる。帰ってお風呂入って寝るだけだし、まあいいか。


弘実の隣を歩き始めて少し経った。

駅近なので居酒屋が多く並ぶこの辺は平日だというのに人が多い。大学生ぐらいの子たちからスーツを着た大人まで、幅広い。

酔っ払ったおじさんがよろよろっとおぼつかない足取りで私に突っ込んできたので思わず弘実の方に寄ると「おっさん、気をつけて」と私を引き寄せ、おじさんの肩をがっつり掴んだ。


「……ご、ごめん、弘実」

「いや、理乃こそ大丈夫か?」

「うん、私はだいじょ——…」






「理乃さん?」



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