FUZZY





「弘実、行こう」

「え、いいのか?あいつと話したり、」

「話すことなんて、ない」

「……わかった」


弘実が先に歩いてその後に続いて私が歩く。碧生くんと女の子を横に感じながらも足を止めることはしなかった。

碧生くん、なんで何も言ってくれなかったの?所詮セフレだから、それ以上のプライベートに入り込む気はないけどさ、流石にちょっと悲しいよ。今までの優しさとか甘さとか、信じてた自分がいたから本当に人間不信になりそう。


アラサーにこれはきつい。

久しぶりに恋をした相手には私以外にも女の子がいましたって、笑えない。


「あいつはやめとけ」

「……」

「そもそもさ、大学生と社会人は生きてる環境が違いすぎるっつーか」

「……そんなのは、わかってる」

「理乃」

「わかってるけど、」

「……うん」


わかってるけど、どんな事実があったとしても好きって気持ちが溢れてしまうから困ってるんだよ、私は。


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