FUZZY
「碧生くんから連絡は?」
「何度かあった。……全部無視したけど」
「無視するな、出ろ」
「だって…っ」
「だって?」
「……所詮セフレに言うことなんて一つしかないじゃん。もうやめよう、お疲れーってやつじゃん。耐えられぬ!私は絶対に耐えられぬ!」
「キャラがぶれっぶれだよ、理乃」
「……好きなんだよ、碧生くんのことが。もうね、好きすぎて自分でもびっくり。普通さ、女の子と密着してる姿見たら発狂して、もう好きじゃない!嫌い!ってなるじゃん?ならないんだよ。おかしい。ただただ悔しくて、つらい。でもそれ以上に碧生くんを好きな自分がいる」
ぎゅっとカップを握りしめて涙が溢れないように耐える。
情けない。情けないのかな。たかが恋愛でこんなに悲しくなって涙を流すのは。いい大人がって思われるのかな。
「とりあえずさ、話してみなきゃわからないじゃん。もしかしたら理乃が思ってることじゃないかもしれないし。話さずにすれ違って泣いて妖怪になっての無限ループだよ?それでいいの?いいわけないよね?しっかりしろ、理乃」
「……妖怪のままじゃ碧生くんに会えない」
「うん、でしょ?だからちゃんと話すこと。わかった?」
「……うう、わかった」
「じゃあそれ飲んで気合い入れろ。背中叩いてあげよっか?」
「いや、それはいいです。背骨折れます」
死にそうだからそんなのやらなくていい。