FUZZY





とは、言いつつも。

今日は碧生くんからの連絡が一切ないのだ。これは何を意味するのだろうか。

無視し続けたから愛想尽かされちゃった?セフレにここまでする必要ねーや!次、探そ!的なやつ?……まじで涙の無限ループだ。

まぁ、これに関しては私が悪いのだけど。












21時。

なんと、大雨。警報まで出ちゃって電車も遅延しているらしい。あー…私の心の中かしら、なんて。……帰ろ。今日だけ贅沢にタクシーを使わせてもらおう。こんな時ぐらい良いよね。

案の定、タクシー乗り場には列ができていたけど15分ほど待って無事に乗れた。

「こちらとしてはありがたいですけどね」なんて運転者さんの本音を聞いてマンションのエントランスについた時には22時を過ぎていた。

くたくたになりながらエレベーターに乗り込み3を押す。束の間の休息。壁にもたれる。

考えないって決めたのにふとした時に浮かぶのは碧生くんの笑った顔、理乃さん、と呼ぶ甘い声。知らぬ間に彼に埋め尽くされている脳内。



エレベーターを降りてとぼとぼ歩く。

そしてついに幻覚まで見始める羽目に。いや、幻覚にしてははっきりしすぎてる…?


ドアの前で三角座りをして顔を埋めている男の子がぽつん。まるで捨てられた犬みたいに。

遠くからでもわかるあの形は紛れもなく、




「あ、碧生くん」


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