FUZZY





「あ、イッ、ちゃう、っいい?」

「うん、いいよ」


その刹那。


ぶつかるように奥を突かれて、同時に唇が重なった。私はしがみつくように彼の背中に手を回す。汗ばんだ肌とドクドク流れる心臓の音がやけに色っぽく感じてひとつになったのだと実感させられた。

……爪、立てちゃったかも。

生理的に流れた涙は碧生くんの手によって拭われる。優しくて、あたたかい手だ。





抱きしめられた私は彼の胸に顔を埋める。


「あー、かわいい。どうしよ、かわいすぎる」

「……かわいくないよ」

「俺との今日を忘れないでね」

「うん、忘れないよ」

「前のことはすっかり忘れてる感じだったしショックだったんだよ、俺。あんなにあつーい夜だったのに」


〝あつーい〟って言う碧生くんがかわいいのですが。かわいくて髪を撫でたら「へへ」と甘くとろけそうな笑顔を見せた。


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