LOVEPAIN⑥
「ごめん…。
ナツキの言う通りなのだけど。
許して…お願い」


私のその言葉に、ナツキがため息を吐くのが分かった。


『…そう。分かった。
広子が自分で決めたなら』



私がそうやって謝れば、ナツキは認めてくれる。


私はナツキがどう言葉を返して来るか分かってて、そう言葉にした。


最近、ナツキの事が手に取るように分かってしまう。


そして、ナツキは私の思い通りになるから、
この人を騙しているような気持ちが湧く。


けど、そんな私の考えなんか、ナツキはきっとお見通しだろうけど。


なのに、今のように私に言い返さない。


その後は、ちょっとした雑談をしてナツキとの電話を切ったけど、
なんだか気持ちが重く苦しい。


榊原先生に気遣い本当の事をナツキには話さなかったけど、
それだけじゃない。


私自身、ナツキ本人に通院している事を訊く事が怖かったのだと思った。


ナツキが苦しんでいる事を、これ以上知りたくない。



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