LOVEPAIN⑥
成瀬は私をマンションの前迄送り届けると、
また会社へと戻って行った。


今、一人になってみて、改めて私の成瀬への恋は終わったのだと、思った。


結婚かぁ。


私は相手が誰であれ、まだ結婚なんて考えられないな。


私は自分の部屋へと戻ると、夕食の前に篤の部屋へと行く事にした。


「ニャー!」


花子は私が玄関のドアを開いた瞬間、
飛び付くように私に掛けよって来た。


「花子!」


私は花子を抱き上げ、篤の部屋へと入る。


そうして暫く猫じゃらしで花子と遊んでいると、
ドアの鍵が開く音がして、心臓が跳ねた。


そして、ドアを開けて入って来る篤の姿を見た瞬間、心臓がうるさいくらいにドキドキとした。


正直、この数日間篤に会わなかった間は、もしかしたらこの篤への思いは勘違いなのかな?と思うくらいに、
胸の奥でなりを潜めていたけど。


実際、目の前に現れると、ドキドキとする。


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