LOVEPAIN⑥
◇
「ニャー、ニャー」
そう鳴いて私に甘えて来る花子の頭を撫でていると、
ガチャリ、と音がした。
あ、篤が帰って来たんだ、と嬉しいと思いながらも、
何処か気持ちが晴れない。
私は約束の72時間が過ぎ、
ナツキから解放されると、タクシーを拾って急いで自宅に戻って来た。
焦りでまごつきながらも、
クローゼットの奥に隠すようにしまっていた、アフターピルを取り出して、
それを口にいれた。
冷蔵庫から飲み物を出す時間も惜しくて、
台所の水道の蛇口を捻り、手を使い水を口に入れた。
そして、薬が喉を通り抜けて胃に落ちたのを感じた。
間に合った…、と足から力が抜け床に座り込んでしまう。
ナツキは72時間後に私を解放してくれると言っていたが、
実際には70時間を過ぎたくらいで解放してくれた。
「今日の客との同伴早まったから。
俺も髪セットしたら出るから、
広子、帰りたければもう帰れば?」
ナツキにそう言われ、なんとなく焦っている姿を見せないように素早く私は身支度を整えて、
ナツキの部屋から出た。
なんとか72時間以内にアフターピルを飲めたけど、
妊娠していたらどうしよう、という不安がつきまとう。
今まで中で出される事は、
成瀬や須田、そして、佐藤雲雀と有ったけども、
今までは、わりと対処が早かったから、薬を飲む事で不安が消せた。
今回のナツキの場合は、ギリギリ。
もし72時間を過ぎて飲んでいても、
それなりに薬の効果はあるかもしれないし、
なにより、時間以内だから大丈夫、だと何度も自分に言い聞かす。
「ニャー、ニャー」
そう鳴いて私に甘えて来る花子の頭を撫でていると、
ガチャリ、と音がした。
あ、篤が帰って来たんだ、と嬉しいと思いながらも、
何処か気持ちが晴れない。
私は約束の72時間が過ぎ、
ナツキから解放されると、タクシーを拾って急いで自宅に戻って来た。
焦りでまごつきながらも、
クローゼットの奥に隠すようにしまっていた、アフターピルを取り出して、
それを口にいれた。
冷蔵庫から飲み物を出す時間も惜しくて、
台所の水道の蛇口を捻り、手を使い水を口に入れた。
そして、薬が喉を通り抜けて胃に落ちたのを感じた。
間に合った…、と足から力が抜け床に座り込んでしまう。
ナツキは72時間後に私を解放してくれると言っていたが、
実際には70時間を過ぎたくらいで解放してくれた。
「今日の客との同伴早まったから。
俺も髪セットしたら出るから、
広子、帰りたければもう帰れば?」
ナツキにそう言われ、なんとなく焦っている姿を見せないように素早く私は身支度を整えて、
ナツキの部屋から出た。
なんとか72時間以内にアフターピルを飲めたけど、
妊娠していたらどうしよう、という不安がつきまとう。
今まで中で出される事は、
成瀬や須田、そして、佐藤雲雀と有ったけども、
今までは、わりと対処が早かったから、薬を飲む事で不安が消せた。
今回のナツキの場合は、ギリギリ。
もし72時間を過ぎて飲んでいても、
それなりに薬の効果はあるかもしれないし、
なにより、時間以内だから大丈夫、だと何度も自分に言い聞かす。