LOVEPAIN⑥
「来てたのか」

その篤の言葉に、返事をする代わりに視線を向けた。



「なんだ、辛気臭ぇ顔して」


こちらに来る篤に、花子はニャーニャーと寄って行く。


「篤さん、もう仕事終わったんですか?」


まだ時刻は夕方の17時くらいだと思う。


「ああ。今日は仕事納めで朝から大掃除で、
昼からは、社内のフロアで社員集まって飲んだだけだ」


「楽しそうですね…」


そう言えば、成瀬のクリスマスイブに芽衣子さんにプロポーズするというのは、どうなったのだろうか?



「まぁ、タダで酒飲めるからな」


スーツのジャケットを脱ぎ捨て、
篤は私の向かいに座った。


そして、篤の視線が、私の首に向いている事に気付いた。


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