LOVEPAIN⑥
「きっと、涼雅の弟も思っているよ」


私がそう口にした瞬間、涼雅の顔から笑みが消えるのが分かった。


涼雅にとって弟は、とても特別な存在。


涼雅は、自分と違い出来のいい弟にコンプレックスがある。


そして、そんな弟を誇りに思っている。


「こんなどうしようもない人が、兄なんて」


涼雅はきっと、音楽を頑張っている自分の事を弟に認めて欲しいと思っている。


‘ーー仲悪いけど、一緒にバンドやってる。

俺、弟とバンドすんのけっこう好きなんだわーー’


だから、弟と一緒にバンドを組み、
近くでその姿を弟に見せているのだと思う。


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