LOVEPAIN⑥
「つーか、お前なんでこんな山に居んだよ?
この山、夜間通行禁止じゃねぇか」


「そうなのですか?」


どうりで、車が全然走っていないわけだ。


「ああ。
だから、なんでこんな場所に居んだよ?」


そう再び訊かれて、答えないわけにはいかないな。


「さっき顔見知りの人と街中で偶然会って、
で、その人のバイクに乗ってこの山に来たんですけど。
その人、私を置いて帰ってしまって。
そんな感じです」


要約すると、先程までの佐藤雲雀と私との出来事はこんな感じだろう。


「よく分からねぇが、てめぇが救いようがない程のバカだって事は分かった」

「はい…」


本当に、その通りだと思う。


「けど、そいつのおかげなのか、
別に今のお前は落ち込んでるってわけではなさそうだな」


今日というか、もう昨日で去年だけど。


佐藤雲雀に会えて良かったのかもしれない。



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