LOVEPAIN⑥
「成瀬さん、本当にお母さん大好きなんですね?
デレデレでビックリしました」


先程迄の、なっちゃんと一緒に居る時の成瀬の嬉しそうな顔を思い出した。


「そうか?
まぁ、男はみんなマザコンなんだよ」


照れる事なく、何処か勝ち誇ったようにそう口にした。


「成瀬さんのお母さん、芽衣子さんに似てま…」


そう口にして、芽衣子さんの名前を出してしまった事に焦ってしまう。


「なっちゃんと芽衣子似てるかな?
俺はそうは思わないけど…」


車を走らせながら、成瀬はなんとも思ってないようにそう言うけど、
一瞬、ハンドルを握るその手に力が入った事が分かってしまった。


まだ芽衣子さんと別れたばかりで、
その名をなんとも思わず口には出来ないだろうな。


「今日はありがとう。
助かった。
なっちゃんもすげー嬉しそうだったな」


「成瀬さんのお母さんが嬉しかったのは、
きっと、成瀬さんと井上さんが分かり会えたからですよ」


あの、成瀬が井上さんを認めた時の、
なっちゃんの涙。


「そっか。
じゃあ、今日は来て良かったな。
本当は、なっちゃん騙すみたいでどうかな?って思ってたんだけど」


「そうですね」


そう言われると、私の中にも罪悪感が湧いて来る。


成瀬の偽の恋人として、なっちゃんを欺いたのかと。


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