LOVEPAIN⑥
「金も行く宛もなくてもう何もかもがどうでもよくなって、道の端で座り込んでいた俺に、
あの人は、手を差し伸べてくれた。

行く所がないなら、うちに来ないか、って。
その手はすげえ細くて、強く握ったら折れそうで。
けど、あの時の俺には、その手がこの世の中の唯一の希望に見えた」


その気持ちは、私にも少し分かった。


一年前のあの卒業式の時、私に差し伸べてくれた成瀬の手が、
私を絶望から救ってくれた。



「この会社を作ったのは、初めはあの人を捜す為だったけど。
あの人の行方を知って、それからは一人でも辛い思いをするAV女優を救いたいって思ってやって来たけど。
いつの頃か、会社を大きくする事ばかり考えるようになって。

そんな俺だから、お前を傷付けてばかりで」


「いえ…」


「広子、ごめんな」


その成瀬の言葉に、なんだか涙が溢れた。


この人とのこの一年間の事が色々と頭の中に浮かんで。


本当に、私はこの人が大好きだったんだな、って。


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