レモンキャンディーにさようならを
その証拠に部屋へ戻ってくるなり、
「お母さん、よいこと恋バナした〜い」
とウキウキしている。


「そんなんじゃないよ!」



言えるわけないじゃん。

学校の先生が好きなんて、言えない。




まだ熱を持っている頬をこすりながら、私は自分の部屋へ移動する。


「よいこー?」

「勉強してくる」

机に向かって、深呼吸をする。



頭の中までクリアになる気がして、ゆっくりと深呼吸を繰り返した。








誰にも言えない。




良い子は……。

良い子はきっと、人に言えないような恋なんてしない。



大切な恋心なのに、戸惑っていることも事実。





誰かに教えてほしいよ。







この恋心を守る方法を。







翌日。


朝から学校内がなんだか騒がしい。


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