レモンキャンディーにさようならを
「何で辞めちゃうかねー!うちらの卒業までここに居てほしかったし」
え?
辞めるって……。
古賀先生が?
頭の中がぐわんぐわんと回る。
その時、ふたりと仲の良い男子、関くんが言った。
「なんかさー、実家の田舎に帰るって話らしい。3学期が終わったら引っ越すんだって!」
……うそ。
なんで?
先生……!
目の前が暗くなってくる。
古賀先生が、いなくなっちゃう。
「職員室で先生達が話してるところを聞いた奴がいるんだけど、そいつオレの部活の友達でさー……」
教室の中はざわざわしている。
でも、みんなの話し声がやけに遠くに感じた。
授業が始まっても集中出来なかった。
どの教科のノートも見事に真っ白。
気づいたら午前の授業が全て終わっていた。