レモンキャンディーにさようならを
何かが頭の中で警告音を立てる。

心がざわざわ騒ぎだす。



古賀先生は少し照れた様子で、嬉しそうに話す。



「先生はその人と、春になったら結婚するんです」






………ッ!!!!!







まるで鈍器で頭を思い切り殴られたみたいな、強い衝撃が走る。





結婚?

先生が?



冷たい風が、裏庭をピューッと通り過ぎていく。


頭の中が真っ白になる。




お昼休みの終わりを知らせるチャイムが鳴る。

古賀先生とどうやって別れたのか分からない。

気づけば教室に向かう廊下に突っ立っていた。





私の想いなんて、届かない。







お腹がキリキリと痛む。

目頭がジンジンと熱くなる。




古賀先生の少し照れた顔。

……あんな顔されて、つらかったな。




そのまま教室に戻る気にはなれなくて、私は保健室へ向かった。







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