レモンキャンディーにさようならを
今は顔を見られないかも。

だってつらいもん。


そんなふうに思いつつ、気にかけてくれることにどうしようもなく嬉しくなる。



私って、恥ずかしい奴。







古賀先生はすぐにやってきた。


「川越さん、大丈夫ですか?」


「あ、あの、はい」
うつむいたまま、何とか返事した。



「川越さんが朝から元気がなかったのは、お腹が痛かったからですか?」



「……え?」




その時、保健室の電話が鳴った。

体育の授業中に怪我した生徒がいるみたいで、鈴木先生はバタバタと出て行った。





古賀先生は私の隣の椅子に座り、優しい表情で話しかけてきた。

「今日の午前中の授業にきた先生達が、川越さんを心配していましたよ」


「あ……、すみません」


「いえ、責めてるわけではありませんよ。僕も心配です」

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