Re:START! ~君のバンドに、入ります~
背中ごしに、律くんのすごみを利かせた声が聞こえてきて、ますます怖くなる私。
だから全速力でレジに向かって、大慌てで私は利用券を出した。
「これでお会計を!」
「はい、毎度ありがとうございます」
すでに顔なじみになっている店員さんは、あっさりとそれを受け取ってくれた。
「待ちやがれ! 詩乃!」
そんな私を、恐ろしい形相で追いかけてくる律くん。
――しかし。
「お客さん、お会計をお願いします」
レジの店員さんに律くんは呼び止められた。
彼は「えっ!? えーと……」と戸惑った様子で立ち止まる。
私と違って、律くんはきっとお金で料金を支払うはずだ。
私みたいに手早く会計を済ますことはできないはず。
チャンス、とばかりに私は急いでカラオケ店から出た。
そしてそのまま、ダッシュで家に向かう。
しばらく走ったところで、恐る恐る後ろを振り返ってみた。
ふたりの姿はなくて、私は心の底からほっとしたのだった。
*
カラオケ店から逃げ出して二時間が経った。
さすがに律くんは家までは追いかけてこなかったようだ。
だから全速力でレジに向かって、大慌てで私は利用券を出した。
「これでお会計を!」
「はい、毎度ありがとうございます」
すでに顔なじみになっている店員さんは、あっさりとそれを受け取ってくれた。
「待ちやがれ! 詩乃!」
そんな私を、恐ろしい形相で追いかけてくる律くん。
――しかし。
「お客さん、お会計をお願いします」
レジの店員さんに律くんは呼び止められた。
彼は「えっ!? えーと……」と戸惑った様子で立ち止まる。
私と違って、律くんはきっとお金で料金を支払うはずだ。
私みたいに手早く会計を済ますことはできないはず。
チャンス、とばかりに私は急いでカラオケ店から出た。
そしてそのまま、ダッシュで家に向かう。
しばらく走ったところで、恐る恐る後ろを振り返ってみた。
ふたりの姿はなくて、私は心の底からほっとしたのだった。
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カラオケ店から逃げ出して二時間が経った。
さすがに律くんは家までは追いかけてこなかったようだ。