Re:START! ~君のバンドに、入ります~
 そもそも私の家の場所なんて、知らないはずだし。

 それにしても、一体なんだったのだろう。

 いきなり入ってきた上に、俺のバンドに入れなんて。
 
 本当に意味不明すぎる。
 
 ――っていうか。


「二番歌えなかったじゃん!」


 最後に歌おうとしたSTAR STARTの曲が中途半端にしか歌えなかったことを思い出して、私は苛立った。

 お年玉で利用券を買ったとはいえ、カラオケには月に二回くらいしか行けない。

 だから、行ったときは思う存分歌うことにしているのに。

 満足できなかった私は、自分の部屋でお母さんから借りていたタブレットを起動した。

 そして、STAR STARTの曲の「RE:START」を流す。


「ああ、本当にいい曲……」


 そうつぶやいた後、耐えられなくなって歌い出す私。

 もちろん、カラオケほど熱唱はできないけれど。

 本当に大好きな曲だ。

 私の人生史上で最高の曲と言っても過言じゃない。

 そういえば、この曲を歌っているときに律くんと響斗くんが私の部屋に乱入してきたんだっけ。

 ふたりもやっぱりSTAR STARTが好きなのかな?
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