空の色
コンコン...

ガラガラ..

看護師さん「広瀬波さーん!手術の準備を始めます。まずこれに着替えましょう。」

看護師さんが来て、手術の時に着る服などの準備が行われた。

手術室まで運ばれ、麻酔の準備が始まる。。。

麻酔の先生がちゃっちゃと準備を始めていると、瀬野先生の姿が見えた。

泣きそうになる私を見ると

瀬野先生「少し早めに来たよ。大丈夫。ゆっくり目を閉じて…」

その後の記憶は夢の中だった....

次に目を開けた時は、ガラス張りの病室にたくさんの機械が並んでいた。

瀬野先生「目覚めたね。よかった。よし、診察するね。」

瀬野先生「痛い?」

私は目をぎゅと閉じたまま少しうなづいた。

瀬野先生「わかった、麻酔の量増やしておくね。」

そして、聴診をはじめた。

この時、瀬野先生の顔が少し浮かない顔をしていたのをはっきり覚えている。

瀬野先生「なみ、手術で、完全治すことは出来なかった。病状がかなり進んでて、これ以上に治すためには、将来的に移植しか方法はないと思う。でも、前よりは改善されてるはずだから、これで移植までの時間を稼げると思う。

....もう一回、手術がんばれるか??」


なみ「…移植?」

瀬野先生「ああ。」

なみ「わかんない…」
目から溜まってた涙がこぼれ落ちた。

瀬野先生「まだ、時間はあるから、、、退院して、ゆっくり考えて欲しいんだ。」

私はうなずきもせずただ一点を見つめているだけだった。

瀬野先生「痛み止め量追加したから、眠くなると思うけど、今日はゆっくり休んでな。」

そう言って病室を出て行った。



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