空の色

思い出の味

次の日の朝
発作も出そうだったのに、持ち堪えたらしく、朝を迎えた。
大輔は今日仕事が休みらしい。そのせいで今日一日は大輔の監視付き...

なみ「おはよ。」

大輔「おはよー。朝ごはん作っておいたから食べてね。」

なみ「えー!大輔料理もできるの?意外!じゃぁ、私もお昼か夕飯なんか作るよ。」

大輔「ダメ。お前、血が止まりにくい薬飲んでるから刃物は気をつけろ言われてるだろ。」

なみ「はぁー。使っちゃダメとは言われてないから気をつけて言われただけだから。」

大輔「ダメー。もし、指切ったりしたら、また病院だよ?いいの?」

なみ「.....はいはい。仕事もダメ、料理もダメ、、、」

大輔「料理は俺が作るから、俺がいない時はレトルトか冷凍してあるもの食べてて。」

なみ「いただきます。」

大輔「どーぞ」

なみ「美味しい〜」

大輔「それは良かった」

なみ「ねぇ、何で大輔は医者になったの?」

大輔「うーん。最初は親が医者だから、、、俺も医者になるんだって言われ続けて来たからそう思ってたし、そう思おうとしてたんだけどさ、いろんなことを知って、それが病気の人の役に立つって、良い仕事だなと思ってさ。救える命があるなら救いたいと思ってる。医者はみんなそうだと思うな。だから、病気としっかり向き合ってない患者さんに強く言ってしまうこともあるし、心配だってしてる。なみみたいな患者さんは特に心配だな。あははは」

なみ「そっか。」

大輔「どうした?」

なみ「真面目だなーって思ってwww」

大輔「なんだそれwwwじゃぁ、食べ終わったら、ソファに来て」

なみ「え?」

大輔「え?じゃないよ。診察。」
すでに聴診器を耳に付けて準備している....

なみ「....」

大輔「はーやーくー。痛くないのに、どうしてこんなに嫌がるの??」

なみ「毎回悪くなってるから!聞いても良いことないから!また入院になっちゃうから!」

と言って、そのまま家を出て行ってしまった…

なみ「はぁ、はぁ...意外に咳も出なくてセーフ」
行くところもないし、お財布も無いしなー。携帯だけ持って来たけど、、、電子マネー使えるところでお茶でもしようかな....

大輔「まじかよ、、、油断した、、、」
(まさか、あのタイミングで出て行くとは思わなかった、、、逃げ足早すぎ、、、発作起きてないと良いけど、、、)


プルルル、、、
瀬野先生「ん?どうした?」

大輔「すみません、なみが、、、俺のせいです。。。探してはいるのですが、どこに行ったか、見当もつかなくて、、、」

瀬野先生「またあいつ逃げたか、、、んー。。俺もそろそろ仕事上がるから探してみるわ。また何かあったら連絡して!」

大輔「はい。わかりました。」

瀬野先生(多分あそこにいるかな...?)
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