空の色

主治医

私は夢を見た。病院の中庭の真ん中にある大きな木の下のベンチで寝てたら、声がして、目を開けると、、、

あ、、、「先生、、、?」

そこに居たのは、私が小さい頃の主治医だった。

主治医「なーみちゃん。また脱走してーー。だめだよ。先生困っちゃうなー、、、」
かなり呆れた顔の中年のおじさん...

あ、、、そっか、、、
さっきの瀬野先生が顔に手を当てた時の思い出したのはこの先生だったのか。。。

細身のダンディーな先生だった。

私はその時、小さくて、〇〇先生って呼び方はできなかったから、ずっとせんせーって呼び方してたんだな。。。

覚えてるのは、この先生がアメリカに行ったことと、私の父も仲が良かったことくらい。。。

今何してるんだろうなー、、、

少し懐かしくなった。

なみ「ん、、、、」
目を開けると、いつもと部屋が違った。いつもより多い機械に、電子音がずっと鳴っている。

瀬野先生「やっと、目が覚めたか。。。よかった...お前、1週間昏睡状態だったんだぞ。本当よかった....」

なみ「あれ、、、私、、、?」

瀬野先生「お前が病室抜け出して、心臓の発作も起きて、、、もう、大変だったんだからな。。。。」

なみ「ごめんなさい....」

瀬野先生「わかってると思うけど、今の状態はかなり良くない。」

なみ「、、、うん、、、」

瀬野先生「まぁでも、もう少して移植の順番が回ってくるかもしれない。それまで、できるだけベッドの上での生活な。」

なみ「....うん....」



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