婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
「はいは~い。イチャイチャしてるとこ悪いけど、むさ苦しい団体がお邪魔しますよー」
戦場に似つかわしくない明るい声をあげながら、ひょこりと顔をのぞかせたのはマイトだった。後ろにはアスランのほか、マイトの部下が数名と……。
「イリム!」
気を失ったまま担ぎこまれるイリムの姿がそこにあった。どさりと床に転がされたイリムをレナートは一瞥する。
「とらえたか。よくやったぞ、マイト」
「うん。残念だけど……スパイを手引きしたのははやっぱりバハル殿下だったよ」
マイトは悲しげな表情でそう報告した。レナートは眉ひとつ動かすことはなかった。バハルの裏切りについては、もう心を決めたのだろう。「わかった」と短く答え、イリムのもとへ歩み出た。
「王太子殿下。そろそろ起きる時間だぞ」
「うっ」
レナートに頬を叩かれ、イリムのまぶたがピクリと動いた。気を失っていただけで、身体はなんともないようだ。目を覚ましたイリムはぴょんと跳ねるように上半身を起こした。
「なんだ? ここはどこだ?」
「敵陣のど真ん中だよ。総大将なんだから、たまには前線に出てみるのも大事なんじゃない?」
からかうような口調でマイトが言うと、イリムの白い肌がみるみると蒼ざめていく。彼はレナートを見つめ、震える声で訴えた。
戦場に似つかわしくない明るい声をあげながら、ひょこりと顔をのぞかせたのはマイトだった。後ろにはアスランのほか、マイトの部下が数名と……。
「イリム!」
気を失ったまま担ぎこまれるイリムの姿がそこにあった。どさりと床に転がされたイリムをレナートは一瞥する。
「とらえたか。よくやったぞ、マイト」
「うん。残念だけど……スパイを手引きしたのははやっぱりバハル殿下だったよ」
マイトは悲しげな表情でそう報告した。レナートは眉ひとつ動かすことはなかった。バハルの裏切りについては、もう心を決めたのだろう。「わかった」と短く答え、イリムのもとへ歩み出た。
「王太子殿下。そろそろ起きる時間だぞ」
「うっ」
レナートに頬を叩かれ、イリムのまぶたがピクリと動いた。気を失っていただけで、身体はなんともないようだ。目を覚ましたイリムはぴょんと跳ねるように上半身を起こした。
「なんだ? ここはどこだ?」
「敵陣のど真ん中だよ。総大将なんだから、たまには前線に出てみるのも大事なんじゃない?」
からかうような口調でマイトが言うと、イリムの白い肌がみるみると蒼ざめていく。彼はレナートを見つめ、震える声で訴えた。