婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
(この顔は……夜這いより価値があるかもな)
レナートは目を細める。オディーリアを連れて来たことはなりゆきというか……別に深い考えがあってのことではなかった。ただ、婚約者に裏切られたというのに眉ひとつ動かさなかった彼女に、ほん少し興味がわいただけだった。
だが、連れ帰ってきたことに後悔はない。今の笑顔を見れただけで、300デルの価値はあっただろう。
「なにかお好きな曲はありますか?」
「そうだな……お前の一番好きな曲を」
ふたりきりの静かな部屋に、笛の音が響く。素朴で、郷愁を誘うような優しい音だ。オディーリアの腕前はかなりのものなのだろう。おもちゃのような笛ひとつで、目の前に彼女の郷里の風景が広がっていくようだった。
きっと、小さな麦畑のかたわらには清らかな小川が流れているのだろう。夜になれば、優しい月の光に照らされて、小川はキラキラと輝くだろう。
「故郷も……帰りたい場所ではないのか?」
レナートが聞くと、オディーリアは少し考える素振りをした。
レナートは目を細める。オディーリアを連れて来たことはなりゆきというか……別に深い考えがあってのことではなかった。ただ、婚約者に裏切られたというのに眉ひとつ動かさなかった彼女に、ほん少し興味がわいただけだった。
だが、連れ帰ってきたことに後悔はない。今の笑顔を見れただけで、300デルの価値はあっただろう。
「なにかお好きな曲はありますか?」
「そうだな……お前の一番好きな曲を」
ふたりきりの静かな部屋に、笛の音が響く。素朴で、郷愁を誘うような優しい音だ。オディーリアの腕前はかなりのものなのだろう。おもちゃのような笛ひとつで、目の前に彼女の郷里の風景が広がっていくようだった。
きっと、小さな麦畑のかたわらには清らかな小川が流れているのだろう。夜になれば、優しい月の光に照らされて、小川はキラキラと輝くだろう。
「故郷も……帰りたい場所ではないのか?」
レナートが聞くと、オディーリアは少し考える素振りをした。