婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
「これ……です」
オディーリアは握りしめていた手をそっと開き、中のものをレナートに見せた。
「なんだこれは? 笛か?」
彼女の手の中にあるのは、透明なガラスで出来た小さな笛だった。かわいらしい品物だが、高級品というよりは子供向けのちょっとした土産物のように見える。
「はい。私の故郷の町でたくさん作られていた名産品です。1デルでお釣がくる安物ですけど……」
「それを、くれるのか?」
「いえ……その……私が吹いて聞かせようかと……」
オディーリアは恥ずかしそうにうつむいた。
妻というより、幼い娘がたまにしか会えない父のために一生懸命考えたもてなしのようではあるが……彼女は色恋に関しては、まさしく幼い娘のように初心なのだろう。
それに、人形のように無気力だったオディーリアが自分のためになにかをしようと考えてくれたのだ。その気持ちが、レナートは素直に嬉しかった。
「それはいいな。聞かせてくれ。俺は音楽が結構好きだぞ」
そう言うと、オディーリアはぱっと顔を輝かせ嬉しそうに微笑んだ。
オディーリアは握りしめていた手をそっと開き、中のものをレナートに見せた。
「なんだこれは? 笛か?」
彼女の手の中にあるのは、透明なガラスで出来た小さな笛だった。かわいらしい品物だが、高級品というよりは子供向けのちょっとした土産物のように見える。
「はい。私の故郷の町でたくさん作られていた名産品です。1デルでお釣がくる安物ですけど……」
「それを、くれるのか?」
「いえ……その……私が吹いて聞かせようかと……」
オディーリアは恥ずかしそうにうつむいた。
妻というより、幼い娘がたまにしか会えない父のために一生懸命考えたもてなしのようではあるが……彼女は色恋に関しては、まさしく幼い娘のように初心なのだろう。
それに、人形のように無気力だったオディーリアが自分のためになにかをしようと考えてくれたのだ。その気持ちが、レナートは素直に嬉しかった。
「それはいいな。聞かせてくれ。俺は音楽が結構好きだぞ」
そう言うと、オディーリアはぱっと顔を輝かせ嬉しそうに微笑んだ。