婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
「オディーリア」
レナートは彼女の名を呼び、その口元から笛を奪い取った。
「えっ……」
「礼だ」
短く言って、今度こそ彼女の柔らかな唇を奪った。そっと優しく触れるだけのキスだ。それでも目をぱちくりさせて驚いている彼女を見て、にやりと笑う。
「油断するな。時々味見はすると言っただろう」
こうして、夜になるとオディーリアはレナートの部屋をおとずれるようになった。数ヶ月後には、そのまま一緒のベッドで眠るようになり、オディーリアの私室は単なる衣装部屋になった。
レナートは時折は彼女の唇を味わうが、それ以上の味見をすることはない。お互いに、お互いの気持ちをはかりかねていた。
恋と呼ぶには不確かな感情の揺れに、オディーリアは戸惑っていたし、レナートはレナートで彼女のような女の扱い方はわからないとぼやいていた。
それでも、お互いに、その曖昧な関係が不快ではなかった。それどころか……なくてはならないものに変わりつつあった。
レナートは彼女の名を呼び、その口元から笛を奪い取った。
「えっ……」
「礼だ」
短く言って、今度こそ彼女の柔らかな唇を奪った。そっと優しく触れるだけのキスだ。それでも目をぱちくりさせて驚いている彼女を見て、にやりと笑う。
「油断するな。時々味見はすると言っただろう」
こうして、夜になるとオディーリアはレナートの部屋をおとずれるようになった。数ヶ月後には、そのまま一緒のベッドで眠るようになり、オディーリアの私室は単なる衣装部屋になった。
レナートは時折は彼女の唇を味わうが、それ以上の味見をすることはない。お互いに、お互いの気持ちをはかりかねていた。
恋と呼ぶには不確かな感情の揺れに、オディーリアは戸惑っていたし、レナートはレナートで彼女のような女の扱い方はわからないとぼやいていた。
それでも、お互いに、その曖昧な関係が不快ではなかった。それどころか……なくてはならないものに変わりつつあった。