ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
「失うって何を?」

「はぁ? そんなの決まってるじゃん、大雅の事を失いたくないから。それだけ」

「私は松田君がもし誠さんの気持ちを知ったとしてもちゃんと答えてくれると思うし、気持ちを知ったからって離れていくとは思えない」

「……何、私は大雅の事よく知ってるって言いたいの? そうゆうのウザいよ」

 確かに今私が言っていることはお節介だと重々承知の上だが、このまま誠とギクシャクした関係にはなりたくない。松田の大切な人だから。

「松田君は誠さんの事大切だってハッキリと言ってた! 本当よ、これから先私だって誠さんと仲良くしたいって本気で思ってる、だってこうやって私にキツいこと言うけど本当は優しい子って分かるから……」

 今まで全てを松田の為に頑張ってきた誠からしたら私はただの邪魔者。それでも私は松田が好き。どうにか分かって欲しい……。

「ふーん、じゃあお酒で私に勝てたら考えてあげる」

「お、お酒……いいわ! やる!」

 大丈夫。めったに人前で酔う事はない。気を張ってれば大丈夫だろう。
 呼び出しボタンで店員さんを呼び、まずはお互いにビールをジョッキで二杯ずつ頼んだ。

(おつまみも無しか……気を張らないと)

 店員さんの運んできてくれたジョッキを持ち乾杯もせずにお互いゴクゴクと飲み干す。
 私よりも五秒くらい早く誠が先に飲み終えた。

「っつ……誠さん凄い、早いわね」

「だてに出版業界で働いてないわよ、飲み会の量エゲツないからね」

「誠さんって出版社勤務だっんだ! なんの仕事してるのかなぁって気になってたのよ」

 誠が二杯目に口をつけたので私もグッと三分の一程飲んだ。
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