ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
「んん……」

「おはよ、水野さん」

「ん、おはよ……んあ!?」

 松田の手を握っていたら段々眠くなっていつの間にか寝てしまっていたみたいだ。目を開けた瞬間マスクをしている松田の顔が目の前に映ったのでびっくりしすぎて変な声を出してしまった。

「俺の手、握っててくれたんですね……」

「え!? あ、うん、なんかうなされてたから……」

 スッと松田の手が私の頬に伸びてきて頬を包む。熱があるからかいつもより熱く感じる。

「えっ、な、何っ」

「はい、風邪がうつるといけないからマスク」

「あ、ありがとう」

 マスクをつけると、また松田の手が私の頬を包む。マスク越しでも松田の熱が伝わってくる。
 ジッと見つめられると吸い込まれそうな黒い瞳に捉えられて目を逸らすことが出来ない。松田から感じる熱がジリジリと温度が上がり、空気がどんどん薄くなっていくように息をするのも苦しい。

「水野さん……ありがとう」

「い、いいのよ」

 ゆっくりと近づいてくる松田の顔から視線を逸らす事が出来ずマスク越しに私達はキスをした。

「はは、今流行りのマスクキス出来ちゃいましたね」

「なっ、何言ってんのよ!」
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