ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 女子トイレに入り鏡を見て分かりきってはいたが自分の顔を見て愕然とする。目は真っ赤に充血し、マスカラもアイラインも落ちて目の下が黒く滲んでいる。泣いたのがバレバレだ。
 直すにも直しようがない化粧にとりあえず落ちたアイラインとマスカラを拭き取りアイシャドウだけを塗り直す。ファンデーションもほぼ落ちていたがもう気にしない事にした。幸い店内は薄暗い照明なのでそこまで見えないだろうし、一緒に来ているのは橅木と言う安心感もある。
 橅木の元へ戻るとメニューを見ながら「ウーン」と顎に手を当て悩んでいた。

「お待たせ」

「お、真っ黒いのが無くなったな!」

「大変お見苦しい物をお見せしました」

「ははは、サクッとなんか食べようぜ、腹減ってんだよなぁ」

 お腹が空いている橅木は焼きおにぎり、海鮮サラダ、唐揚げとポテトの盛り合わせ、飲み物はビールを注文した。私は食欲が無かったので食べ物は特に頼まずスッキリしたい気分だったので白ワインを頼んだ。
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