ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
「……きだったな」

 電車の音で橅木の声が消された。なんて言ったのか分からず聞き直そうとしたが、電車が止まり私の降りる駅だ。橅木は「じゃあな」と私の頭をポンと叩いて手を振る。
 電車のドアが閉まるのを見届け、駅のホームを出た。

(橅木、多分私が松田を好きって気づいたのかな……)

 橅木の言葉が胸に残る。
 橅木が言うようにずっと好きだと伝えてくれていた松田が急に彼女を作るとも思えない。いや、思いたく無い。でも、もしかしたらいつ迄もハッキリしない私に嫌気がさしてしまったのかもしれない。
 駅のホームを出て自宅まで歩く。冬の冷たい風が泣いて腫れた目にじんわりとしみた。

 部屋に入りササっとシャワーを浴びベットに寝転ぶ。
 今日一日の事を振り返る。松田の風邪が良くなったらマコトの事を聞いて自分の気持ちを伝えようと決心しながら眠りについた。
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