強面お巡りさんはギャルを愛しすぎている
「なぁ、なつ。わりぃんだけど……」
いつもの場所でまりりんや仲間たちと屯して喋っているとサークル仲間のギャル男が久々に顔を出して来た。
ギャル男は申し訳なさそうに顔の前で手のひらを合わせて必死に頼み込んでくる。
「ったくぅー、しょうがないなぁ〜」
そう言って私は財布から一万円札を五枚取り出した。
「これで足りる?」
「足りる足りる! サンキューなつ!」
サークル仲間のギャル男が金を受け取り私の頬にキスをして私の元を去って行った。
「なちゅあいつあんまり甘やかさない方がいいよぉ〜。確かあいつ最近この辺りで暴力沙汰起こしてたって噂だし」
「でも、どっちが上か教えておかないと」
キスをすれば私が喜ぶとでも思っているのか。私は鞄に入れてたメイクポーチからファンデーションを取り出してキスされたところを念入りに塗り直した。
この頃からだった。ギャルを始めて三年。いつしか埋まっていたのはずの心の隙間が空き始めているのがわかった。人の気持ちを繋ぎ止めるのは難しく、サークルを去っていく者、ギャルを辞める子が出てきていた。