強面お巡りさんはギャルを愛しすぎている

 洗濯機に制服を入れ、棚にあった洗剤を適当にセットしオシャレ着洗いモードに設定しスタートボタンを押した。
 脱衣所に長居は無用。急いで浴室に入った。浴室は一人暮らしにしては広めで水垢一つない綺麗に掃除されていた。

「きっとA型だな……」

 鏡の前のバスチェアに座り、棚に置かれたボトルを物色する。シャンプー等は好きに使っていいと言われたが、メイク落としなんていう物はなかった。

「彼女……いないのかな」

 彼女が居ればお風呂場にも女物のシャンプーやメイク落としがあるはずだが、見事に男物しかなかった。

「あんな怒った顔ばっかりしてるから、女の人が寄ってこないのねッ! かわいそうに!」

 仕方なくお湯で顔を洗っているがウォータープルーフはなかなか綺麗に落ちない。悪戦苦闘していると、扉越しにまた小鳥遊さんの声がした。

「これでいいのかわからんが……扉の前に置いておく」

 脱衣所の扉が閉まる音がしたのを確認してから浴室の扉をそっと開けた。バスマットの上には、オイルタイプのメイク落としが置かれていた。しかも未開封で来る途中に見かけたコンビニのシールが貼られていた。

「もしかして、買ってきてくれたの……?」

 この大雨の中わざわざメイク落としを買いに行ってくれるなんて、案外優しいところもあるのかもしれない。
 有難くメイク落としを手に取ると"すごオチ! 頑固なメイクもスルスル落ちるっ!"とパッケージに大々的に書かれていた。

「余計なお世話よ!」

 怒った手付きでボトルストッパーを外しメイクを落とした。これが意外にもよく落ちた。オフ後もツッパる感じはなく思わず感心してしまった。どうせ使わないだろうし、もらって帰ろう。

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