弓木くんはどうやらわたしが好きらしい
「へ……?」
今なんて言いましたか弓木くん。
ぽかん、と見事なまでにオープンマウスしたわたしに、弓木くんはさっきとまったく同じトーンで。
「中瀬、俺を好きになれば?」
「……。What?」
「なんで英語だよ」
「鋭いツッコミは素敵だけど、今ツッコミたいのはわたしのほうだからね!? な、な、なに言ってるんですか弓木くん、寝言は寝て言ってくれないと困りますですん……!」
動揺のあまり、口調がおかしなことになってしまった。
なのに、いつもはばかにして笑ってくるはずの弓木くんが、なぜかずっと真剣な顔をしている。
「あ、あ、あの、冗談もたいがいに────」
「なにが冗談だ、ばあか」
「え……。だって、わたしに弓木くんを好きになれって……言った」
「言ったけど」
「じょ、冗談……」
「俺、そんな悪趣味な冗談言わねーし」
意味がわからないです、弓木くん。
目を白黒させて、頭もショート寸前で、壊れたからくり人形みたく、ギシギシぎこちない動きをしていると。
ふいに、弓木くんの腕が伸びてきた。