弓木くんはどうやらわたしが好きらしい


「……!」



やわらかい指先が、そっと、目尻にふれる。

泣き腫らした目から、それでもまだ飽きることなくこぼれ落ちる涙のしずくを、弓木くんの指先が吸いとった。


いじわるな弓木くんらしくない、仕草にびっくりする。




「俺を好きになれば中瀬はもう泣かずにすむと思うけど」

「な……」




平気な顔して、すごいこと言ってくる。

わたしが弓木くんのことを好きになれば、わたしはもう泣かずにすむって、それって……。




「弓木くん、わたしのこと、好きなの……っ?」

「好きだけど?」



それが何か? みたいな顔してる。
あたりまえのような顔してる。

信じられない。



「ぜったい、うそだ……! からかってるんでしょっ? あとから、ドッキリでしたーってネタばらしするんでしょっ!」

「ふは、なんでだよ。そんなしょうもないドッキリ誰が喜ぶとでも?」


「でも……」

「別に信じてくれなくていいけど。俺が中瀬を好きだとして、なにか問題ある?」



つい勢いで、首をぶんぶん横にふった。
弓木くんが、ふ、と笑う。


え……?
あれ……?



弓木くんって、わたしのことが好きなの?





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