俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う
「それにしても藤堂快……こんなぼろ雑巾のように芽衣をこき使うなんて、一体どういう神経してるのよ!! 芽衣がいつまでたっても処女なのはあいつのせ……」

「ちょっと美晴! 壁薄いんだから隣の人に聞かれたらどうすんの」

「きゃっ!」

ドサドサ!!

勢いよく美晴の口を塞いだ拍子に、私たちは本の山に体を突っ込んでしまう。

「……つっ、芽衣……藤堂快のもとを立ち去る前に引っ越ししてくれる?」

「それは、できない」

この六畳一間は私の汚部屋。
ベットとミニテーブル、そして簡易冷蔵庫のみしか備えられておらず、
空いたスペースには本と資料が山積みのため、はたから見たら完全に苦学生の住まいだ。
最近まで全力でフランス語を勉強していたので、それらの教材がテーブルまで侵食している。

「なんで? あんたの給料ならもっといいところ住めるでしょ」

「会社から五分圏内で家賃十五万円以下はここしかなかったの」

そう、本社がある大都会港区は日本で一番家賃が高い。
寝坊で遅刻せずに……そして社長の要求を完璧に応えるにはここに住むほかないのだ。
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