シンデレラは堅物会長の専属モデルになるようです
「悠。卵がゆ美味しかった、ありがとう」

「紅蓮先輩のお口に合って良かったです」


「それで薬なんだけど……」

「粉薬が苦手なんですよね? でも引き出しの中に錠剤もありましたよ」


「粉薬が苦手なんていつ言ったの?」

「え?」


あ、そうだった……。

あまりにも熱が高くて記憶が飛んでたんだった。


「今よりも熱が高いときに自分で言ってました」

「……粉薬でもいいから渡して」


「錠剤なら口移しで飲ませることも出来ますけどどうですか?」

「! 悠がそんなことを言ってきたのは初めてかもしれない。どういう心境の変化?」


「さっき紅蓮先輩がせっかく触ってくれたのに泣いてしまったので……罪滅ぼしに。って、引き出しも勝手に開けちゃってごめんなさい。人様の家を勝手に荒らすのはいけないことでしたよね……」

「緊急だったから仕方ないよ。それに関しては怒ってない。ただその事はもう気にしなくていい。だから悠が本当にしたいなら言って」


「本当にしたい、です。罪滅ぼしとか関係無しに」

「……うん。それなら僕に飲ませて」


穏やかな表情を見せてくれる紅蓮先輩。

機嫌を悪くさせたんじゃないかって正直不安で。

今なら口移しで薬を飲ませたいって思う。
もう怖くない、大丈夫……。
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