丸重城の人々~後編~
お節介、宗おじ

【拾う】

ある日の夜明け━━━━━━━

柚希「きゃぁぁぁーーー!!!!」
丸重城内に、柚希の悲鳴が響いた。

バン━━━━!!!!
大翔「柚!!どうした!!?」
中也「柚希!!?」
玄「姫!!どうしたの!?」
響子・将大・英里「柚希(ちゃん)!!?」

広子「どうしたの!!?」
宗一郎「柚ちゃん、落ち着いて!僕だよ!!」

みんなが一斉に柚希の元に駆けつけた。
柚希は風呂場の前で腰を抜かし、口を両手で塞いで震えていた。
そして腰にタオルを巻いてた宗一郎が、柚希の前に跪いていた。

大中兄弟「じじぃ!!」
玄「まさか、宗おじ!姫になんかしたの!?」
将大「いくら宗おじでも、柚希ちゃんを傷つけたら殺るよ!」
響子「宗ちゃん!柚希から離れて!!」
英里「震えてますよ!」
広子「宗一郎!!」
宗一郎「はい!!
広ちゃん、これには深いわけが……!!」
広子「とにかく!服、着ろ!!」
宗一郎「はい!!」

大翔「柚、大丈夫だよ」
柚希「うん…」
抱き締める大翔の胸に顔を埋めたのだった。

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宗一郎「ごめんね、柚ちゃん。まさかこんな早朝に誰か来るなんて思わなくて………」
柚希「いえ。私も大きな声を出してごめんなさい」
みんな、リビングに集まる。
柚希は大翔と、ソファに並んで座っている。

広子「でもなんで、こんな朝早くにお風呂なんて入ったの?」
宗一郎「また飲み過ぎちゃって、酒を抜く為にね。
あ、あと広ちゃん!」
広子「ん?」

宗一郎「また子ども、拾って来ちゃった!」

全員「「「はぁぁ!!?」」」
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