丸重城の人々~後編~
一原「ありがとうございます」
岸元「すんません」
広子「いいから、食べなさい」
高校生二人を夜中に連れて帰ってきたと言う宗一郎。
今はみんなで、朝食を一緒に食べている。

大翔「なんでじじぃは、すぐガキを拾ってくるんだ」
中也「だよなぁ。子ども好きではあるが、ちょっとやりすぎだよなぁ」
玄「でも、宗おじらしいね!」
将大「お前等、親は?」

一原「あんま、俺に感心ないんで…!」
岸元「俺の親も、仕事ばっかだから」
柚希「辛いね…」
響子「勝手な親がいるもんね」
英里「可哀想ね…」

宗一郎「だから、今日はみんな遊んであげてよ!」

大翔「遊んであげてって、何すんだよ!?」
中也「今時の高校生って、何すんの?」
玄「ゲームとか?」
将大「ここには、そんなもんねぇよ!」
柚希「じゃあ、トランプは?」
響子「プッ…!!!柚希、可愛い~」
英里「いや、意外と面白いかもだよ?」

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柚希「なんでぇーーー」
大翔「柚、相変わらず…」
中也「よえーよ…」
玄「ほんと、可愛い~」
将大「柚希ちゃん、顔に出すぎ……」
英里「柚希ってほんと、純粋ね!
すぐにわかる。ババを持ってる時」

柚希「響ちゃんーー!」
響子「……ったく!高校生にも、笑われてるわよ!」
一原「ほんと、分かりやすいっす(笑)」
岸元「フフ…」
柚希「フフ…でも、よかった。やっと笑ってくれた!」

一原・岸元「え?」

柚希「緊張するよね…知らない家で、こんなに人に囲まれたら。でもここにいる人達、みんなとっても素敵な人達だから安心してね!」
大翔にしがみついてはいるが、比較的穏やかに一原と岸元に伝える柚希。
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