丸重城の人々~後編~
柚希「今日はサクさんが帰り送ってくれたんだけど、丸重城の前で別れる時に、私が転びそうになっちゃって……
それをサクさんが支えてくれたんだけど、その拍子に口唇が重なったの。
それで、私が震えちゃって……
だから、事故なの!」

サク「柚希ちゃん、あれは━━━━━━」

柚希「サクさん、他に好きな人がいるんだよ?私になんかキスしたいなんて、思うはずないんだよ!」
サク「違うんです!僕が━━━━━」
柚希「あれは!!事故です!」

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大翔「柚、本当のこと教えて?」
柚希「え?」
あれから納得いっていないみんなに“事故”だと頑なに言い続けた柚希。

夕食を済ませみんなそれぞれ、部屋に戻っていた。
大翔「本当のことが知りたい。
知っても、何もしないって約束する!
だから俺だけには、教えて?」
柚希「わかった」

柚希は正直に話した。
サクが響子に惚れていること。
サクにこれからも響子を支えてほしくて、元気づけたこと。
抱き締められ、キスをされたこと。

大翔「そう…か」
柚希「どうして、サクさんが抱き締めてキスしてきたのかはわからない。
でもサクさんが好きなのは、響ちゃんなの!
それはお仕事してたら、よくわかる!」
大翔「なんで、庇ったの?事故なんて言って」
柚希「こんなこと知ったら、サクさんはもう響ちゃんの傍にいられないでしょ?
サクさん、お仕事する上での響ちゃんの支えなの。
そんな人を失ってほしくない!」

大翔「やっぱり柚は“他人”の為なんだな!」
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