ずっと好きだった。


「だから俺はお前が一番好きなんだよ。俺を束縛したりしないからな。好きだよ」

「うん……」

「愛してる。お前は?」

「私も……愛してる」


 ああ、ダメだ。また流されてる。
 私が一番でも、二番は誰? 三番は?
 その質問は口には出せない。

 そうよ。一番なんだからいいじゃない。
 一番彼のことをわかっている私のことが、彼は一番好き。
 愛してる。の言葉もくれる。

 重ねた肌のぬくもりが好き。
 甘いキス、愛の言葉、強く抱きしめてくれる腕。
 全部好き。

 確かに彼も私もまだ若いもの。
 そう思ってた。
 私も責任ある仕事を任され始めたところで、仕事が楽しかったのもある。
 最近は出張も増えて、それも独身の身軽さだから。

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