恋人ごっこ幸福論
「…私は、貴方がダサいと思っていようと分かっててできなくてもそれでも好きだなって思います」
「知ってるから今んなこといちいち言わなくていいよ」
「そうだろうけど、だから放っておけないんです」
彼の両手に、おやつ用に持ってきていたキャラメルやチョコレートやらを掌いっぱいに乗せる。
「は…なんのつもり」
「なんでもいいからやっぱり食べてください!
……これは私の場合だけど、緊張してるときは甘い物食べることに集中した方がリラックスできるんです。食べれるものでいいから今は一旦試合のこと忘れて少しでも食べて。弱音吐きたかったら好きなだけ言ってくれていいし…なんでも受け止めるから」
貴方にお弁当を食べて貰って、少しでもサポートが出来たらいいと思っていた。
でも、今はそれだけじゃない。真面目で、努力家で、無愛想で、すぐきつい事言ってしまう貴方の不器用すぎる一面が愛しくて、手を差し伸べずにはいられないのだ。
「…わかった」
真っ直ぐ見つめて訴えたからなのか、大人しく掌に乗せられていたお菓子を傍らに置いて、1つチョコレートを口にする。
もぐもぐと口を動かす彼を確認すると、彼の右手をギュッと掴む。