【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!
「お兄様がお帰りになるまで、わたしがフィロソフィーを守らなきゃいけないわね。だけど、枢機卿団にあらがえる人脈や魔力は持っていないわ。こんなわたしに、いったい何ができるっていうの」
「ルルーティカ様はたくさん持っていらっしゃるではないですか。これを」

 ノアがポケットから取り出したのは、ルルが渡した金貨だ。

「日用品や贅沢品はこれと引き換えに手に入ります。同じように、これを使って味方を増やすことは可能です。上手く使えば、聖王の座を守るための最強の武器になるでしょう」

 提案されたのは課金のすすめだった。自分に足りないさまざまなものを、お金を積んで手に入れろとノアは言っているのだ。
 だが、ルルは知っている。お金で全てが手に入るほど、この世界は甘くない。

「日用品を買うようには、枢機卿団は説得できないと思うわよ」
「ものは使いようです。養成学校でよく聞きました。『金貨があれば愛すら買える』と――」
「んん?」

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