禁忌は解禁される
颯天が一颯の頬に触れる。
それだけで、颯天の胸が高鳴る。

それは、一颯も同じだった。

見上げると、熱っぽく見つめる颯天の顔があった。

ここで、振り払わなければ…………
そう思うのに、身体が動かない。

本当に血が繋がっていれば、もっと確実に振り払えただろう。
でも、繋がっていない血、一颯自身も颯天に惚れている事実が、一颯の身体を動かなく、颯天を受け入れようとしていた。

「愛してるよ、一颯……」
二人の口唇が重なった。
「ンンン……」
少しずつ…深くなっていくキス。

身体が熱くなっていくのがわかる。

「はぁはぁ…お願…颯天…これ以上は……」
「無理……もう…限界越えてる…」
一颯を抱き上げる、颯天。

「一颯、軽っ!」
そう言ってベットへ連れていき、ゆっくり下ろした。

「綺麗…一颯。
抵抗、しないの?」
「抵抗したら、やめてくれるの?」
「んー。
たぶん無理やり犯す…!」
「無理じゃん!抵抗……
ここで関係を持っても、私はお見合いするよ。
私は颯天のお姉さんでいる。
この世界では颯天と生きたくない!」

「いいよ!俺は壊し続けるだけだよ。
ここから一颯を出さないし」

「ンン…んぁぁ……」
少しずつ服が脱がされていく。

「ヤバい…綺麗すぎて、手が震える……」

「……あんま、見ないで…」

「ほんと……綺麗…」
颯天も服を脱ぎ、下着姿になる。


「━━━━━え?
颯天…刺青、いつの間に…?」


「言ったでしょ?高校卒業した時に覚悟を決めてたって!」

そう言って、背中を見せた颯天。

颯天の背中には、登り龍。

胸には、花の刺青が彫ってあった。
< 10 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop