オフィスの華(令和版）～若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係～

「栗原、俺と美苑にコーヒーを頼む」

「承知しました」

「お前はソファに座れっ」

「あ、はい」

栗原さんは吐息を付く間もなく、給湯室へと入って行く。
明日からはお茶出しも私の仕事になるんだろう。

私は肘掛椅子に腰を下ろし、ジッと給湯室を見つめる。

「何だ？栗原が気になるのか?美苑」
「え、あ…別に…」

「ようやく、お前が俺の秘書になるんだな…そうだ…俺達三人の時は眼鏡…外していいぞ」

「いえ…誰が入って来るか分からないので…当面は外しません」

「何でだよ！？俺は華の顔が見たいのに」

祐早斗さんは子供のように拗ねて口を尖らせる。

「コーヒーで良かったですか？」

「はい…ミルクと砂糖はお好みで入れてください」

栗原さんが銀色のトレーに載せてコーヒーを二つ運んできた。

「俺は邪魔者ですよね…秘書室に居ますので…二人でごゆっくりとお話下さい」

「あぁ」

祐早斗さんは早速コーヒーに喉を通す。

「お前も飲めよ。栗原の淹れるコーヒー美味しいぞ」

「いただきます」

私も栗原さんの淹れたコーヒーの喉を通した。