オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
「ウチの会社よりも大きいですね…」

私と栗原さんは『星凛堂』本社ビルをしたから見上げた。

「行きましょうか…」
と言って、ハンドルを切って、幹線道路へと出た。

「邪魔者は消えたし、ようやく二人になりましたね…染中さん」

ハンドルを握る栗原さんはバックミラー越しに後部座席の私の顔を覗き見ていた。
眼鏡の奥の瞳は蠱惑的な雰囲気。


「そんな危険なコト言っても…栗原さんは何もしませんよね…」



彼はフッと笑い、バックミラーから視線を外して、前を見据え、運転に集中した。

早朝の街はまだ人が疎らで静かだった。
「あっ!?」

私は肝心なコトを忘れていた。

「どうしたの?いきなり大声出して…」

運転してる彼が私の一声で、ビクンと肩を震わせて、驚いた。

「・・・着ていくスーツがありません…」

「えっ!?」




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