オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
「リクルートスーツはあるの?」

「ありますけど…入社以来、着てないんですけど…着られるかな?」

「何、昔よりも太ったの?」

「少しだけ…」

「…俺が君の部屋に行って、見立ててあげるよ…全く困った後輩だな」

栗原さんは呆れた言葉を吐きながらも、私の為に動いてくれた。


******

六本木の高級マンションで、母と二人で暮らしていた。

母はまだ仕事から帰宅していなかった。

「お邪魔します…」

私は初めて男性を自分の部屋に招き入れる。


「社長よりも先に俺の方が君のプライベートルームに入ってしまったね…」

「シャワー浴びる時間あります?」
「少しぐらいなら…でも、俺は時間がないから…勝手にクローゼット開けていい?」

「どうぞ」

栗原さんは私の許しを経て、クローゼットの扉を開けた。

「このスーツ?」

「はい」

彼は私が着て行こうとしているリクルートスーツを取り出す。

「オフィスでは地味に通す染中さんにはお似合いだけど…秘書には見えないな…まぁ、今日一日は仕方がない。俺は先に出社するから…君は電車で来て」

「分かりました…」


栗原さんは先に出社してしまった。



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